もの書き。
9話
10月13日(土曜日)
『誰かのために生きること

知らずにいた、あなたと出会うまで』

学校で国語の時間、先生が教室に入ってくるなり

すらすらと黒板にそんな事を書いた

白いチョークの粉がふらりと落ちる

あの言葉の一部になれなかった

チョークの一部


私だ。


なんとなくそう感じた

一部になれず言葉だけを見つめた

ありふれているがいい言葉だ

今の私の場合

『あなたを知ってから

誰かのためにいきれずにはいられない』

の方があってるかもしれない

次、会えるのはいつだろう?


10月15日(日曜日)
今日は家に帰って少し寝た

一時して

メールの着信音で目が覚めた

彼からだ。

いつも私を起こしてくれるのは彼である

来た時間は19:00

メールの内容は

『28日ライブやります!!

出番は3時ぐらいです!なっちゃん来なよ!』

私の名前が入っているところをみると

どうやら一斉送信じゃないらしい

私だけに送られたメール。

本当に私だけに送られてきたのかは

分からない。

彼の事だから

一通一通来てもらいたい人に

丁寧に送っているのかもしれない

来てほしい人?
< 10 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop