もの書き。
2話
7月28日(土曜日)
今日は彼のバンドのライブを見に行った

彼と会えるまで少し間があった

この日が来るのが待ち遠しかった。

私は楽屋からでてきた彼の名前を呼んだ

彼はそれにきずき私の隣に座ってくれた。

彼は優しい。

小さな私の声でも聞きとってくれる。

彼が右足を押さえた。

細くて長い足だ。

私「大丈夫ですか?」

彼はすっと立ち上がり「次のバンド見てくるね」

と言った

さすがに聞こえなかったらしい


8月2日(木曜日)
今日は近くの大学主催のライブイベントだった。

彼のバンドはゲストとして呼ばれている。

もちろん私は見に行った

前日、寝てないからすごく辛い。

私は彼のバンドの出番までソファーに座って

寝ることにした。

さりげなく彼の隣に座ってみた。

彼の、と言うより彼のバッグのと言った方が正しい。

そんな私に気付いた彼が

笑顔でこちらへ歩いてきた

彼「なっちゃん今日も来てくれてありがとう!」

彼は私の事をなっちゃんと呼ぶ

私「いえ。。。。」

彼「ねぇ、ごめんだけどさバッグ見といてくれない?」

私「あ、はい」

私は少し遠くにあった彼のバッグを自分のとこまで引き寄せた


数分後

私はいつの間にか寝てしまったらしい

頬に冷たいものがあたり

びっくりして目が覚めた

顔を上げると

冷えた瓶を持った彼が笑っていた。

飛び起きて丸い目で自分を見つめる私が面白かったらしい。

私にとって冷たさよりも彼の行動が驚きだった。

彼は目の前のテーブルに瓶をコトリと置くと

「次のバンドは良いバンドだから一緒に前で見よう!」

と言った。

その時の私はどんな顔をしていただろうか?

まだ驚いていただろうか?ちゃんと笑えただろうか?

冷えた頬は次第にほかほかと熱くなった
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