もの書き。
3話
9月2日(日曜日)
とうとう9月だ。

彼と出会って半年近くたつのに

なにも進んでいない。

メアド交換すらしていない

そんな私は今日少し大胆な行動に出てみた。

イベントで歌うことになった私。

歌う曲は「好きだから。」

ナオさんにたのんで彼を呼んでもらった

ステージの方から客席の方を見ると

後ろの真ん中あたりで

聞いていてくれた。

光で彼がどんな表情をしていたるか分からなかったが

きっと笑顔だろう・・・

歌い終わり楽屋の前にあるソファーに座った

いつか同じソファーに座り彼を待っていたことがあった

座ったとたん緊張がぬけずっしりと疲れがからだを襲った

そのまま私は眠りについた

しばらくすると誰かに頭をポンと触られた

ゆっくりと目をあける。光と雑音が脳内へと入ってきた

顔をあげても誰もいなかった

左の方を向くと彼が手を振った

笑顔ではなかった。

人ごみにまぎれエレベーターの方へと彼は進んだ

私はあわてて立ち上がりやっとの思いで言った言葉が

「あの・・・今日はありがとうございました」だった

すると彼は「いいえ、」と言って目をそらして笑った。
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