蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
憂鬱な新学期

アンジェサイド 1

新学期に入ってすぐ、私は蒼がいる数学科教材室に向かった。



「最近は、こんなものが出回っているんだって?」


私は写真部の男子を少々脅して入手した1枚の写真を、蒼に見せた。



「さっき、そのことで校長からお小言喰らったばかりだよ。」


梨香と気まずくなって落ち込んでいるというのに、梨香の水着姿見て勃ってる写真なんか出回っていたら、憂鬱な気分に拍車がかかったことだろう。




いつもの、蒼らしくない。



こいつが自信満々な態度でいてくれなきゃ、喋っても面白くない。




「リコに慰めてもらう?」


「彼女とは、しばらく距離置きたい。」



今、何て言った?



私は、蒼を睨みつける。



「怒るなよ。

次は梨香がどれだけ泣いても止められる自信、今はない。」




蒼が


「梨香に言っといて。」


なんて言う。




「そういうことは、自分で言え。」


そう言って、私は部屋を出た。










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