蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
星空の下で
梨香サイド 1
入学して半月ほど経ったころ、一年生を対象に山で合宿をする。
行進と持久走、飯盒炊爨やオリエンテーリングも行った。
合宿の夜、家族が書いてくれた手紙を読み、その返事を書くことになっている。
両親がいない私の家族といえば、後見人となって父の会社を継いでいる叔父。
坂下先生は奔走してくださったけれど、叔父が私に手紙を書いてくれることはなかった。
坂下先生の勧めで、叔父に手紙を書くことにしたけれど、何を書いたらいいのか思いつかない。
今年の初めから、叔父一家と私は同じ敷地内に住んではいるけれど、顔を会わせることは殆ど無い。
叔父たちは母屋に住み、私は今まで住んでいた母屋から離れの小さな家に移った。
口さがない人たちは
「会社も家も乗っ取られた。」
と言う。
便箋にまだ一文字も書けずにいると、蒼先生が外へ連れ出してくれた。
蒼先生が手にしている懐中電灯を頼りに木々を抜け、広い草原へ出る。
街中では見ることができない程、たくさんの星が輝いていた。
「今にも降りだしそう…。」
思ったことを、気がついたら呟いてた。
「雨が降る気配、ないけど?」
「違います、星のことです。」
私は笑う。
すると、蒼先生は
「やっと、笑った。」
そう言って、微笑んだ。
行進と持久走、飯盒炊爨やオリエンテーリングも行った。
合宿の夜、家族が書いてくれた手紙を読み、その返事を書くことになっている。
両親がいない私の家族といえば、後見人となって父の会社を継いでいる叔父。
坂下先生は奔走してくださったけれど、叔父が私に手紙を書いてくれることはなかった。
坂下先生の勧めで、叔父に手紙を書くことにしたけれど、何を書いたらいいのか思いつかない。
今年の初めから、叔父一家と私は同じ敷地内に住んではいるけれど、顔を会わせることは殆ど無い。
叔父たちは母屋に住み、私は今まで住んでいた母屋から離れの小さな家に移った。
口さがない人たちは
「会社も家も乗っ取られた。」
と言う。
便箋にまだ一文字も書けずにいると、蒼先生が外へ連れ出してくれた。
蒼先生が手にしている懐中電灯を頼りに木々を抜け、広い草原へ出る。
街中では見ることができない程、たくさんの星が輝いていた。
「今にも降りだしそう…。」
思ったことを、気がついたら呟いてた。
「雨が降る気配、ないけど?」
「違います、星のことです。」
私は笑う。
すると、蒼先生は
「やっと、笑った。」
そう言って、微笑んだ。