蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
私は、アンジェを触っている男の手を掴むと、ありったけの声で叫んだ。


「この人、痴漢です!」


痴漢は、私の手を振りほどいて逃げようとした。




逃げる痴漢に引きずられながらも、私はその手を離さなかった。



後ろから、男子たちが追いかけるのが分かった。






電車が駅に着いたのをいいことに、痴漢が降りる。



引きずられていた私は、躓いて転んだ。



男子2人が痴漢を追いかけ、あとの2人は転んだ私のもとへ駆け寄った。


「蒼先生、そいつ捕まえて!」


「痴漢なんだよ!」


男子たちが叫んだ。



蒼先生…?



身体を半分起こしたとき、目にした光景は…


蒼先生が痴漢に蹴りを入れ、腕をねじ伏せて取り押さえていた。



私は、振り回されているだけだったのに…。



すごいな、蒼先生は。








 
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