蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
私は、凍りついた空気を払拭したくて、蒼先生に疑問を投げかけた。



「どうして、蒼先生がここにいたの?」


「この近くに平等院があるんだけど、チェックポイントだったんだよね。

申請ルート外れて来た理系女子、大勢いたよ。

しっかり担任にチクっておいたから、アトで怒られるだろうね。」



そう言うと蒼先生は、くくくっ…と笑った。



理系女子、見なかった気がするけどなぁ?



「お前らが来る1本前の電車で、京都に向かわせたよ。

待てば、坂下先生と合流できると思ってね。

だけど…事件も一緒に乗ってくるとは、思わなかった。」






電車が、ホームに入ってきた。



「さあ、乗りましょうか。

集合時間には、なんとか間に合いそうですよ。」



坂下先生は私とアンジェのバッグを手に取ると、男子に持つように言った。



ショックで口も利けないようなアンジェならともかく、ちょっと転んだだけの私は自分のバッグくらい持てるのに…。



「余合さんは、これをしっかり持っていてください。」


差し出されたのは、アンジェの左手。



途中で逸れないように、しっかり持っていなくちゃ…。






 
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