蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
体育祭当日、男子がハチマキや厚紙で作ったメガホンをくれた。




開会式の後、青組応援席に向かう。


私が出る競技は少なく、係もないから、応援席にいる時間が多い。


体育委員や放送部は、仕事が目白押しで大変だなーと思う。



「リコ、入場門に行くよ。」


あ、ここにも忙しい人がいた。



アンジェは出場競技が多いため、ほとんど応援席にいることがない。



「何で私たちが騎馬戦なんだろうね?」


馬の上に乗り、敵のハチマキを取るのだけど、他のチームは男子ばかりなのに…。



「馬の土台作る男どもの動機が不純なんだから、仕方ないんじゃないの?」


「女子の脚の感触楽しみたいって、何考えているんだか?」


「勝つ気ゼロだよね?」


騎馬戦に参加する女子が集まって、愚痴を言う。




こうして見るとアンジェ以外は、綺麗な子というよりも、可愛らしい子を選りすぐっている。



馬を作る男子は1・2年生、彼らが私たちに言った。


「ウチは女子が出るって言ったらハンディ貰えましたから、頑張って下さい。」



男子相手に、どう頑張れと…?




ピストルが鳴り、8チーム入り乱れての騎馬戦が始まった。



参加してみて思ったのは、こんな姑息な手段で良いのか?ということ。


ちょっともみ合いになると泣き出し(当然、嘘泣き)て相手がひるんだ隙にハチマキ奪うとか、囮を使って背後からハチマキ奪うとか…。


「反則って言われてないし、得点入れば良いのよ。」



他のクラスの女子から、反感持たれそうだよ…?



「今更、女子受けしてもねぇ…。」


「ハーレムって呼ばれてる坂下HRにいること自体、反感喰らってるものねぇー。」



みんな、陰口に慣れてるせいなのか強い…。




可愛い子相手なら手加減するからという理由で、ウチのクラスの男子が考えたらしい。


不利になるとさっさと逃げ出してくれる馬が優秀だから、勝ち残ることができた。



1・2年生たちに感謝!






 
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