蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
体育祭ラストの競技は、選抜リレー。


各学年の男女各1名と教員1名が走る。


2年生が男子ばかりのウチは、1年生の女子に走ってもらった。



ウチのクラスの女子は、アンジェが走るのだけど


「陸上大会に選ばれる奴らに混じって、走るのヤダ。」


なんてぼやいていたけど、抜かされることなく走りきった。



「てめえ、抜かされたら殺すからな!」


アンジェの声が響く。



そんな大声出す余裕あるんだ?


チームのみんな、ちょっと固まってた。



後で聞いたら、走り終わってから1年生の肩に身を預けていたというのだから、余裕というわけでもなかったらしい。



私が彼女の様子を見ていなかったのには訳がある、アンジェからバトンを渡されたのが蒼先生だったから…。






蒼先生には3位でバトンが渡った。


すぐ前を走っていた新任の先生は難なく抜かしたけれど、その前を走るのは体育科の先生。


すぐ後ろに食らいついているものの、抜かすのは難しいと思われた。



私を含め、応援合戦以降の競技がない女子はチアリーダー姿のままだったので、応援席の最前列でポンポン振りながら声援を送る。


「蒼先生ーっ、がんばってー!」


声援のせいか、蒼先生は体育科の先生を抜くことができた。



僅差だったけれど1位でゴールした時、応援席では大歓声があがった。




もう、ホントにカッコイイんだからっっ!



アトで2人きりになったら、『惚れ直しちゃったよ』って言おうかな。







 
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