蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
卒業式前日、リハーサルのために全員出席することになっている。
登校時間になっても、まだアンジェは来ていなかった。
蒼先生が、教室に入ってきた。
寝不足のせいか、少し目が赤かった。
教壇に立ち、みんなが静かになるのを待って、口を開いた。
「今朝、坂下先生がお亡くなりになりました。」
その言葉を聞いて、私も含め、みんなが動揺した。
明日の卒業式に出られなくても、病気は治るって思ってた…。
そこへ、教室の扉が開き、泣き腫らした目をしたアンジェが入ってきた。
早くに進路を決めていた彼女は、坂下先生のお見舞いは控えるようにお達しが出ていたにも拘らず頻繁に行っていたようだから、こうなることを知っていたのかもしれない。
何度か止めるようにと蒼先生から言われてたけど、私には彼女を止めることはできなかった。
アンジェが着席するのを待って、蒼先生は話を続けた。
「葬儀は明日午前中に行われますが、卒業式は予定通り行います。
卒業生・在校生ともに、葬儀参列のための欠席は認めませんので、必ず卒業式に出るようにしてください。」
「最後のお別れもさせてもらえないんですか?」
クラスの誰かが言った。
「学校側の決定です。
なお、本日午後7時から通夜が行われますので、申し添えます。」
蒼先生も、納得してるわけじゃない…。
声のトーンで分かった。
「ウチのクラスだけでも、葬儀出させてよ!」
「せめて時間ずらすとか、頼むよ。」
クラスのみんなが口々に、蒼先生に要求する。
この場で黙っているのは、私とアンジェくらいだった。
お願いだから、蒼先生を困らせないで…そう思っても、言葉にできなかった。
「蒼は、みんなが言ってるようなこと、既に頼み込んだんでしょ?」
アンジェの言葉に、蒼先生は頷いた。
「みんな、力不足で済まない…。」
蒼先生は、みんなに頭を下げた。
誰一人、それ以上何も言えなかった。
登校時間になっても、まだアンジェは来ていなかった。
蒼先生が、教室に入ってきた。
寝不足のせいか、少し目が赤かった。
教壇に立ち、みんなが静かになるのを待って、口を開いた。
「今朝、坂下先生がお亡くなりになりました。」
その言葉を聞いて、私も含め、みんなが動揺した。
明日の卒業式に出られなくても、病気は治るって思ってた…。
そこへ、教室の扉が開き、泣き腫らした目をしたアンジェが入ってきた。
早くに進路を決めていた彼女は、坂下先生のお見舞いは控えるようにお達しが出ていたにも拘らず頻繁に行っていたようだから、こうなることを知っていたのかもしれない。
何度か止めるようにと蒼先生から言われてたけど、私には彼女を止めることはできなかった。
アンジェが着席するのを待って、蒼先生は話を続けた。
「葬儀は明日午前中に行われますが、卒業式は予定通り行います。
卒業生・在校生ともに、葬儀参列のための欠席は認めませんので、必ず卒業式に出るようにしてください。」
「最後のお別れもさせてもらえないんですか?」
クラスの誰かが言った。
「学校側の決定です。
なお、本日午後7時から通夜が行われますので、申し添えます。」
蒼先生も、納得してるわけじゃない…。
声のトーンで分かった。
「ウチのクラスだけでも、葬儀出させてよ!」
「せめて時間ずらすとか、頼むよ。」
クラスのみんなが口々に、蒼先生に要求する。
この場で黙っているのは、私とアンジェくらいだった。
お願いだから、蒼先生を困らせないで…そう思っても、言葉にできなかった。
「蒼は、みんなが言ってるようなこと、既に頼み込んだんでしょ?」
アンジェの言葉に、蒼先生は頷いた。
「みんな、力不足で済まない…。」
蒼先生は、みんなに頭を下げた。
誰一人、それ以上何も言えなかった。