蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
涙の卒業式
梨香サイド 1
卒業式当日、教室に入るとみんな泣き腫らした目をしていた。
お通夜であれだけ泣いたのだから、当然かもしれない。
三つ揃いのダークスーツを着た蒼先生が、教壇に立つ。
その左腕には、喪章をつけていた。
式典では、卒業生の担任は礼服を着ることになっている。
坂下先生が入院してから担任代行を務めてきた蒼先生は、礼服で式に臨むのだと思ってた。
「蒼先生、礼服じゃないんですか?」
クラスの誰かの問いに、蒼先生が答える。
「僕は、担任じゃないよ。」
「それでも、礼服で式に出る資格あると思います。」
そうだよ、蒼先生頑張ってきたもの…。
「誤解のないように言っておくけど、学校側からは礼服着用するよう言われています。
しかし僕は、このクラスの担任は坂下先生だと思っているから、礼服は着ない。
これは僕なりの、坂下先生に対するオマージュだと理解して欲しい。」
蒼先生がそう言うと、アンジェが拍手した。
「蒼、アンタが着けてる喪章だけど、私たちの分もあるの?」
「用意はしてあるけど、着用については学校側の許可は貰ってないし、義務づけるつもりもない。
喪章を着ける生徒は、あとで大目玉を覚悟してくれ。」
蒼先生は教壇を降り、生徒一人一人の胸に造花をつけていく。
「卒業おめでとう。」
蒼先生はそう言って、私の胸にも造花をつけてくれた。
「先生、私にも喪章をください。」
「いいよ。」
左袖を摘み上げ、喪章もつけてくれた。
お通夜であれだけ泣いたのだから、当然かもしれない。
三つ揃いのダークスーツを着た蒼先生が、教壇に立つ。
その左腕には、喪章をつけていた。
式典では、卒業生の担任は礼服を着ることになっている。
坂下先生が入院してから担任代行を務めてきた蒼先生は、礼服で式に臨むのだと思ってた。
「蒼先生、礼服じゃないんですか?」
クラスの誰かの問いに、蒼先生が答える。
「僕は、担任じゃないよ。」
「それでも、礼服で式に出る資格あると思います。」
そうだよ、蒼先生頑張ってきたもの…。
「誤解のないように言っておくけど、学校側からは礼服着用するよう言われています。
しかし僕は、このクラスの担任は坂下先生だと思っているから、礼服は着ない。
これは僕なりの、坂下先生に対するオマージュだと理解して欲しい。」
蒼先生がそう言うと、アンジェが拍手した。
「蒼、アンタが着けてる喪章だけど、私たちの分もあるの?」
「用意はしてあるけど、着用については学校側の許可は貰ってないし、義務づけるつもりもない。
喪章を着ける生徒は、あとで大目玉を覚悟してくれ。」
蒼先生は教壇を降り、生徒一人一人の胸に造花をつけていく。
「卒業おめでとう。」
蒼先生はそう言って、私の胸にも造花をつけてくれた。
「先生、私にも喪章をください。」
「いいよ。」
左袖を摘み上げ、喪章もつけてくれた。