蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
蒼サイド 1
卒業生が、教頭先生のアナウンスに従って入場する。
教員が着席している椅子の1つ…僕が座っている席の前に、白い花束が置かれている。
坂下先生が座る筈だった場所だ。
空席はみっともないという理由なのか、今朝はここに座るように言われた。
僕がそれを断ると、教頭先生が花束を用意してくれた。
「ボイコットすれば蒼先生の面目が潰れる…だから、式に出ることに決めた。」
そう言ってくれた、坂下HRの生徒たちが講堂に入ってきた。
ならば僕も、式典で坂下先生を蔑ろにする行動だけは取らないと決めた。
連中の左腕を見た教員たちが、色めき立った。
「蒼先生の仕業!?
アンタ、何考えてるんですか?」
僕の後ろに座っていた…以前に梨香の脚を舐め回すように見てた体育科の教員に、言われた。
「式典は始まっているのだし、騒がない方が良いですよ?」
ここで喪章外せって言おうものなら、クラス全員式典ボイコットするのは目に見えているのだろう。
それを口にできる教員は、いなかった。
入場の際、本来は教員たちの前を通り過ぎるだけなのだが、クラスの生徒たちは打ち合わせをしたわけでもないのに、この椅子の前で一旦立ち止まり、思い思いに一礼していく。
ここにいると、個性が垣間見れて…面白い。
アンジェは…彼女らしいというのか、なかなか見ものだった。
他の先生方が、目を剥いてたからな…。
梨香はといえば、制服の下に忍ばせたロザリオを取り出し、十字を切った。
坂下先生は、キリスト教じゃないって…。
教員が着席している椅子の1つ…僕が座っている席の前に、白い花束が置かれている。
坂下先生が座る筈だった場所だ。
空席はみっともないという理由なのか、今朝はここに座るように言われた。
僕がそれを断ると、教頭先生が花束を用意してくれた。
「ボイコットすれば蒼先生の面目が潰れる…だから、式に出ることに決めた。」
そう言ってくれた、坂下HRの生徒たちが講堂に入ってきた。
ならば僕も、式典で坂下先生を蔑ろにする行動だけは取らないと決めた。
連中の左腕を見た教員たちが、色めき立った。
「蒼先生の仕業!?
アンタ、何考えてるんですか?」
僕の後ろに座っていた…以前に梨香の脚を舐め回すように見てた体育科の教員に、言われた。
「式典は始まっているのだし、騒がない方が良いですよ?」
ここで喪章外せって言おうものなら、クラス全員式典ボイコットするのは目に見えているのだろう。
それを口にできる教員は、いなかった。
入場の際、本来は教員たちの前を通り過ぎるだけなのだが、クラスの生徒たちは打ち合わせをしたわけでもないのに、この椅子の前で一旦立ち止まり、思い思いに一礼していく。
ここにいると、個性が垣間見れて…面白い。
アンジェは…彼女らしいというのか、なかなか見ものだった。
他の先生方が、目を剥いてたからな…。
梨香はといえば、制服の下に忍ばせたロザリオを取り出し、十字を切った。
坂下先生は、キリスト教じゃないって…。