蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
私は賭けに負けたのだけど、賭けたものを渡す相手がいない場合はどうなるんだろう?
式典は、粛々と進められていく。
終盤にさしかかった時、かすかにクラクションの音がした。
蒼先生が席を立って窓の外を見たあと、教頭先生と顔を見合わせて合図を送った。
教頭先生は、マイクを手にする。
「坂下HRの生徒は、至急校門前に集合しなさい。」
クラスのみんな、何事かと顔を見合わせる。
蒼先生が、講堂の扉を開け放って言った。
「早くしろ、坂下先生が待ってるぞ!」
坂下先生が?
蒼先生のもとに行き、講堂から外を見る。
校門前には、一台の霊柩車が停まっていた。
クラスみんなで、車に駆け寄る。
ポケットの中のものが、カサカサ音を立てた。
お棺のふたはまだ打ち付けていなかったのか、開くことができた。
みんなで、坂下先生と最後の対面をする。
1人ずつ声をかけたのだけど
「何でリコちゃんの名前吹き込むの忘れたんだよ、かわいそー。」
なんて言ってくれた子もいた。
忘れたんじゃなく、わざとなんだけどね。
私はお棺に近づくと、ポケットからクッキーを取り出した。
「坂下先生の不敗神話、破ることができなくて残念です。」
そう言って、賭けたクッキーをお棺に入れた。
式典は、粛々と進められていく。
終盤にさしかかった時、かすかにクラクションの音がした。
蒼先生が席を立って窓の外を見たあと、教頭先生と顔を見合わせて合図を送った。
教頭先生は、マイクを手にする。
「坂下HRの生徒は、至急校門前に集合しなさい。」
クラスのみんな、何事かと顔を見合わせる。
蒼先生が、講堂の扉を開け放って言った。
「早くしろ、坂下先生が待ってるぞ!」
坂下先生が?
蒼先生のもとに行き、講堂から外を見る。
校門前には、一台の霊柩車が停まっていた。
クラスみんなで、車に駆け寄る。
ポケットの中のものが、カサカサ音を立てた。
お棺のふたはまだ打ち付けていなかったのか、開くことができた。
みんなで、坂下先生と最後の対面をする。
1人ずつ声をかけたのだけど
「何でリコちゃんの名前吹き込むの忘れたんだよ、かわいそー。」
なんて言ってくれた子もいた。
忘れたんじゃなく、わざとなんだけどね。
私はお棺に近づくと、ポケットからクッキーを取り出した。
「坂下先生の不敗神話、破ることができなくて残念です。」
そう言って、賭けたクッキーをお棺に入れた。