蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
離れの横を通りかかった時


「柾樹さん。」


その声に驚き、声の方を振り向いた。



「なんだ、アンタか…。」


ほっとした、話しかけてきたのは父の愛人だった。



「出て行くの?」


「その方が、アンタには好都合だろ?

喪が明ければアンタが正妻、子供も跡取りにできる。」


「渡しておきたい物があるのよ、ついて来て。」


言われた通りにすると、テーブルにトランクが1つ置いてあった。



それを開けると、大学進学を機に家を出てから強制送還されるまでの7年間の思い出が詰まっていた。



数々の写真や手紙が手元に戻ってきたことは、本当に嬉しかった。



少し面食らったのは、卒業式で使ったICレコーダーがあったこと。


電源を入れると、今は亡き坂下先生の声が聞こえる…。









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