この声が届くことはもう…。


「如月麗華ってあの?」

私は芸能人とかを、よく知らない。
そのため、「??」と
反応するしかなかったが、

周りの皆は口々に言い始める。

「っあぁ」
「トップアイドルの…」
「嘘ッまじィ!?」

「「如月麗華ぁぁー!!??」」

男女共にざわめき
先生をはねのけ、
如月さんの所へ駆け寄った。


サイン目当てで。


男子の言葉1つで
婚約の話は飛ばされたように
思ったとき…

「は~い、皆にはあとで
麗華特注のサイン色紙あげるから
婚約者の翔には
ぜぇーったい近づかないでね?」

思い出させられた…。

でっでもでも、
別に、私が翔と如月さんの関係に
何か言う『後ろめたいこと』
なんてないし…。

すっ好き…、
って訳でも何でもないんだし!

関係無いっ!

「藍那?」

隣で一緒に驚いていた純也が
私の名前を呼んだ。

「ぇっ!なっ何!?」

「混乱してます」
って言っているような顔で
純也の方に振り返った。

「だよなー、この年で婚約って…。
ちょっと…いや、マジ驚いたゎ」

私の表情を見て察し、
にかッと笑って見せた。

「ぅ…うん…。」

私は何故か、
曖昧な返事で返してしまった。

告白されて断って
それからずっと会わなくて
今ここでこんな形で再会して、
婚約者って…。

私はどうしたらいいのよ。

……って
なんで私が悩まなきゃ
いけないの!!

関係無いんだから
悩む必要ないしっ!

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