この声が届くことはもう…。
「―――…おい如月ィ・・・
お前はアメリカ行って
日本の挨拶忘れたかぁ??」
少し怒り気味に、
先生が翔から如月さんを
引き剝がす。
むぅ~と頬を膨らまして
怒ったような顔を先生に向けるが
軽くスルー。
ほらっと言うように
先生は顎で生徒を指した。
「如月麗華ッ。翔の婚約者ね!」
先生へ向けた顔とは違い
にっこりスマイルを向けてきた。
……ん??
「今…なんて…?」
私がボソッと呟いたことに反応して
「ん~?私は翔の婚・約・者♡」
周り皆が黙り、
教室が数秒固まった。
…なっ何ですとぉー!?
「っちょ、麗華!?」
「言っとかないと取られちゃうからね」
静まり返った教室で、
翔と如月さんの声が
微かに聞こえる…。
みんなが固まった。
えぇっと…
こ、ここ…婚約?
コンニャクの間違いじゃ…?
…………ぇ…?
≪え゛ぇ゛ぇぇぇぇー!!??≫
教室にいた全員が発狂した。
もちろん私も。
「えっ婚約ぅ!?」
「登校初日から何これぇ!!」
「翔、どういうことぉ」
「おいおい」
みんな一斉に状況を整理し始める。
「っていうかさ…」
そこで1人の男子が口を開けた。