跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
私はお手洗いの扉を開けた。


「!?」

パウダールームで舞子さんと出くわした。

「桜瀬さん、こんにちは」

「こんにちは…」

互いに着物姿。

私よりも若く美人な舞子さん。彼女の方がやっぱり、着物は似合っていた。


「舞子さんって、着物似合いますね…着慣れてると言うか…」

「ありがとうございます…普段から、展示会など時も母から言われ、着るように心がけています」


「へぇ~っ。私なんて…成人式以来だもん。窮屈で仕方がないです…」


「桜瀬さん、一つ言っていいですか?」


さっきまでニコニコしてた舞子さんの顔が急に険しくなった。



「なんですか?舞子さん」

私は彼女の様子をキョトンと見つめ返す。


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