跡目の花嫁さん～家元若旦那の極上のキス～

「私は別に…和也さんとの見合い話が…破談したから…こんなコト言うワケではありません。最初から断っておきます。桜瀬さんと和也さん、正直言って、結婚しない方がいいと思います！」


「！？」



「…家元夫妻はあなたを懸命に守っていますが、母たち門下生はあなたを次期家元…和也さんの奥様としては認めていません…あなたの未熟さが目に余ります」


「それは私にもわかっています！だから、懸命に…」


「私…あなたには隠して来ましたが…ずっと、和也さんがスキなんです！私と和也さんは…幼い時からの顔見知りで、私は…和也さんしか見てこなかった。母から見合い話を持ち出されたときはとっても嬉しくて…」



舞子さんと和也が顔見知りなのは知っていた。


舞子さんの瞳にはポロポロ真珠のような涙が零れる。



「500年続く、氷見流緑川派のコトなんて、私よりも知らないクセに…和也さんが苦労するのは目に見えている…。あなたは引くべきです！」