跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
婚約を破棄しろって舞子さんは涙を流しながら訴える。



控え室に戻ったけど、和也はまだ家元の所。


私はソファーに座り、一人で考え込んだ。


私だって私なりに懸命に、和也の世界をコトを理解しようと努力している。

でも、舞子さんや門下生たちには、私の努力など見えてなかった。


氷見流緑川派のコトを何も知らない私を鼻から拒絶してると言うか…



「戻ったよ…桃」


「ん、あ…お帰り…和也」



和也には悟られまいと私は明るい笑顔の仮面を顔に貼り付けた。
正月早々から、和也を陰鬱にさせるコトなんてできないから。






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