跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
STEP14♥本家の家元

ー和也sideー

俺の選んだ着物と帯を付け、


普段、下ろしてる髪をアップにして、母さんから借りたかんざしをアクセントにした桃の艶姿。




誰にも見せたくないけど。


そうはいかない。



今日は、大切な桃のお披露目の日。


閑散とした離れの全ての部屋に父さんの門下生たちが集まり、今年初めの『生け始め』を行う。



俺も我が家の家紋の入った紋付袴姿。



「今日は桃さんのお披露目の日でもある。粗相がないように、和也お前も気を配ってやれ」



「はい」



父さんも母さんも桃に常に気を遣ってくれた。


桃に着物をクリスマスのプレゼントにしたのは母の気遣い。


次期家元の婚約者として、正月の生け始めの席に着る着物がないと桃が困ると思ったからだ。


男の俺はそこまで、気が回らなかった。






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