跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
「・・・」


智成様は昔変わらない…言葉遣いで、嗣成さんと喋っていた。



「マジで?兄貴…フラれたのか??」

「まぁな」

「ふーん」
聞けば、智成様が本家の家元の補佐役とか。


「後で…智成…明日、使用する花器を一緒に選んでくれ…」

「はぁ?それは家元の仕事だろっ?自分でしろよっ。ウザい・・・」

「お前の何のために来たんだ?」

「…ストレス解消の為だ…悪いっ?」


「普通の兄弟みたいね」


目の前で掛け合う二人の姿は普通の兄弟。


「智成様の華道の腕は…確かだ…氷見流本家の教えに沿った…生け方じゃあないけど、センスはある…」


和也が私の耳許で智成様には聞こえないように教えてくれた。
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