跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
「華道展の準備は順調?もうすぐ…だよね」


「うん。明々後日だ。桃…柏木先輩は?」


「今…昼休み…」



桃の顔が訝しげに俺を見つめる。


「俺が…柏木先輩のコト訊くなんて、変だよなぁ。嗣成さんに頼まれたと言うか…」



「えっ?」


「嗣成さん…柏木さんに一目惚れしたらしい」


「ええ~っ!?」
静かなエントランスに響く桃の頓狂な声。


「ゴメンなさい…。つい、びっくりしちゃって」



「俺も驚いた…」


「桃がメルアドと携番教えてくれたら、本人は訊かなくていいんだけど」



「知ってるけど…勝手に教えるのは気が引けるなぁ」


桃は慎重に考え込んだ。

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