跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
「ゴメンなさい…」



桜瀬さんのその一言が俺の言葉を止めた。



「今は…彼と別れたばかりで、他の人とは付き合えない…」


「・・・」


俺…全然、空気読めてない…
蒼井さんと同じだ。



俺の1年の想いは見事、撃沈…
奈落の底に沈んでいった。




「ゴメン…そうだよな。ははっ」


俺の脱力した笑いが虚しい。



彼氏はダメでも…桜瀬さんと何か他の社員たちとは違う接点が欲しかった。



「と、友達はどう?俺…桜瀬さんと友達になりたい…」


友達って何だよ!?そもそも、俺は桜瀬さんに好意を持っているんだし…



でも、ともかく俺はこのまま、桜瀬さんと唯の同僚には戻りたくなかった。


< 20 / 203 >

この作品をシェア

pagetop