跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
* * *


「おはよう~」


「あ、おはよう…」



昨日、緑川さんに話を聞いてもらって、少しだけ…ショックが和らいだ。


でも、それでも部屋に戻って、一人になると止めど無く涙が出て、夜明け近くまで泣いてしまった。



鏡の中の自分の顔は超ブサイク。


これでは『会社の顔』となる受付席には座れない。



私はワンランク明るめのファンデーションを塗り、目の下の涙袋のクマには筆ペンタイプのコンシーラで、皺に沿って、塗りこんだ。




何とか隠して、出勤。


会社のエントランスで緑川さんに出くわした。



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