跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
緑川さんは語尾を濁し、そのまま何も言わなくなった。



「今…ここで本音を言えば…友達にはなれないよな。ゴメン…」



緑川さんは丸椅子から腰をあげて、背を向けた。



「ありがとう…緑川さん…でも、何かお礼がしたい」



私は彼の袖口を掴んだ。



「今度の日曜日…俺と…」


「わかった」



やっぱり、友達じゃない。


ほんのりと友達同士では感じられない甘い雰囲気がある。



「あのう…桜瀬さん…手、離してくれない?」



「あ、ゴ、ゴメンなさい…」


私は緑川さんの袖口から手を引っ込めた。










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