跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
開け放たれた障子戸の向こうに広がるのは鮮やかな日本庭園。



四季折々の花や木が植えられ、年中、俺たちの目を飽きさせない庭だった。




「お前を呼び出したのは他でもない。就職をし…お前も一段落…付いた。門下生の一人である笹沼さんのお嬢様と見合いをしてみないか?」



笹沼さん…その名前を聞くだけで、もうその縁談は断れない。



父の門下生の中でも古株で、俺も笹沼さんには指導された。



笹沼さんのお嬢様とも顔見知り。


俺よりも2歳下で音大生。



「俺は…」



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