跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
変わり身が早いと思われるのは嫌だから、このまましばらくは友達同士で。



会社から少し離れた地下一階にある洋食屋で待ち合わせ。



緑川さん私よりも先に、席に座って待っていた。



「緑川さん」



「あ…桜瀬さん」


「…お待たせしました…」



私は緑川さんの前に座った。


彼は書類をカバンの中にしまい込んだ。



「ランチの後は外回りですか?」



「うん」


クールな返事だけど、他の人よりも愛想がいい。
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