跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
和也は私を自宅まで送り届けようと車を走らせる。



左ハンドルの高級外車。

シートの座り心地は抜群。



「父さんに全部…見抜かれていた…」


「んっ?」


信号待ちで、停車の車の中で和也は静かに呟いた。


「俺…逃げていた…」


青信号で車が走り出しても、和也の話は止まらなかった。



「本当に嫌だったんだ…。華道の世界が・・・500年の伝統が俺には重荷だし、父さんは人間国宝とも言われる有名な華道家だ。忠実に500年の氷見流の教えと生け方を伝承している。その次期…家元…プレッシャーは半端じゃない」



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