跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
そんな人の嫁となるのが私でいいのか…疑問になって来た。



「ここでいい…」


自宅近くの公園脇に停めてもらった。



「私たち…まだ、互いの事…何も知らないのに結婚の話…進めてもいいの?」



「やっぱり…重い?」


和也は陰鬱に顔を曇らせていく。



「私でいいのかな?って…」


「・・・桃でいい。桃でなきゃ…俺はダメだ!俺…桃には苦労させないから…結婚して」


和也は私のシートに両手を伸ばして、抱き締める。



和也の声は脳内に痺れを感じる甘い声・・・


その声で切なく囁かれたら…もうダメだ…



「はい」と言うしかない。


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