跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
和也は塁にも気に入られ、このままいくと本当に結婚してしまいそう。


「野球してたんだ」


「小学校時代の話だ」


私は車に乗り込む和也を見送ろうと外に出た。



「塁君…ピッチャーとしての才能あるよ。将来…プロになる可能性だってあるかも」


「お世辞は言わないで…塁はすぐに調子に乗るから…」


「お世辞じゃないって…」


「…野球してる和也もカッコよかった…」


「別れ際にそんな事言われたら…このまま、部屋に連れて帰りたくなる…」


「和也?」


「俺、桃とずっと一緒に居たくて居たくて…堪らないんだからなっ」


和也は私の右手をそっと握って唇を落とす。



< 84 / 203 >

この作品をシェア

pagetop