跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
「来ないかと思って今…メール入れた…」

服装はいつもオフィスで見るスーツ姿。

「ゴメンなさい・・・和也」



「若先生…その方は?」


「あ…父の門下生の一人…笹沼さん。彼女は桜瀬桃さん。俺の婚約者…」


「あなたが?若先生の・・・」



鮮やかな紫の着物を着込んだ猫目の女性。

笹沼さんは私の頭の頂から爪先まで、細かい視線を注いだ。



「笹沼さん…桃の指導お願いしていいですか?」


私…この敵対視したようなオバさんに教えてもらうの?


聞き返す前に、和也はたくさんの人たちに囲まれてしまった。







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