美女がダサ男に恋をした!?
「お前キモいんだよ!!」
苛立ったその2が河田を思い切り突き飛ばす。
「ぶひっ…」
まるでブタのような鳴き声…じゃなかった、声をあげて河田が尻餅をついた。
「河田…!」
その1の腕を振り払い、思わず河田に駆け寄るあたし。
「ちょっとやめてよ!っつーかあんたの方がよっぽどキモいからこの顔面ピアスが!!!」
「なにぃ!?」
「河田大丈夫!?」
「まっ牧瀬さんこそ…怪我はないですか!?」
いつも他人の心配ばっかして…
「お前ら何してるっ!」
誰かが知らせてくれたのか、その時警察がやって来て。
「やべっ…逃げんぞ!」
チャラ男その1その2は逃げていった。
「あ、ありがとうございます…」
突き飛ばされた時か…
口元が切れている河田にハンカチを差し出すあたしにニッコリ笑いかけ(胸キュンポイント)
河田が言う。
「牧瀬さんはかっこいいですね…」
「はぁ?どこが…」
あんたの方がよっぽどかっこいいでしょ…と思ったが、口に出しては…いえない。
「いえ…僕、今も凄い怖くて…噛んでばっかりで…情けないですね…」
何言ってんの…
こんな大勢の人がいて…
皆が見て見ぬフリをする中で…
助けてくれたのは河田だけ。
真っ青になりながらも…
噛みまくりながらも…
宇宙語喋りながらも…
助けてくれた。
「かっこ悪いはずない…」
「え?」
「…あ、ありがとね」
すると河田は嬉しそうに
「…はい」
…笑った。