美女がダサ男に恋をした!?
あー…だるい。
今週は教室の掃除当番。
机を運んだり窓を拭いたり、一番ダルい教室掃除。
その中では一番サボれるゴミ捨て役をかって出た。
大きなゴミ袋を一つ持って廊下を歩く。
皆が皆、あたしを見てヒソヒソ何か耳打ちをしている…気がする。
…イライラする。
ドンッ…
角を曲がろうとして、誰かにぶつかった。
いい加減に口を結んでいたせいで、袋の中のゴミが辺りに散らばる。
あぁ~最悪。
ただでさえイライラしていたあたしは更にイライラを募らせ、チッと小さく舌打ちした。
「ごめんなさい!」
パッとあたしの前に出て何の戸惑いもなくゴミを拾う女子には、見覚えがあった。
ぽっちゃりした体型にセンスの悪い黒髪おさげ。
…三神結衣だ。
「ごめんね、あたし前よく見てなくて」
自分だけが悪いわけではないのにせっせとゴミを拾って、綺麗に袋の口を結ぶ三神結衣。
…普通、素手でゴミを拾うなんて誰だって嫌で少しは戸惑うはずなのに、そんな素振りを微塵も見せず、ゴミ袋を持ち「ゴミ捨て手伝おっか?」なんて感じ良く言う三神結衣。
「…いいよ」
あたしはそんな彼女にまたイライラして、ゴミ袋を乱暴に奪い取った。