†蝶鬼鈴Ⅱ†



頭では、自分の気持ちには気付いてる。

“帰りたい。”


素直にそう思いたい私がいる。

でも、どうして……
私はこんなに弱いんだろ。


『………いえ。』

そう言ってしまうんだ。



「あやつらは、お前をもう疑ってなどいないぞ。」



う…うそ……。
なんで?


「それでもか?」

じっと、私を見つめる。



何も、言えない…。

言葉が出てこないんだ。


「俺は、お前の幸せを一番に願っているつもりだ。」


…………………。


その言葉は、とても温かく切なく聞こえた。






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