†蝶鬼鈴Ⅱ†
「お前、また紗枝にキツく当たったんだって。」
ほら。
「…………。」
「気持ちも分かるが。お前も協力してくれ。」
それでも無言の僕に呆れてか、ため息を吐いてどこかに行った。
隊長たちは、初めから分かっていた、彼女が黒だと。
監察から情報は得ていた。
紗枝ちゃんは……
敵だと。
その情報は、隊長たちだけに知らされた。
僕は初めから、好んでなかったから、どうとも思わなかったけど。
一部では、驚きゆ隠せないのも、ちらほらいた。
泣く子も黙る新撰組が、女になめられたのは
いささか気に入らない。