†蝶鬼鈴Ⅱ†
反乱への予感
――――あるから数日
土方さんは一度も顔を見せる事は無かった。
少し望んでいてしまった自分がいた。
「静乃ちゃん、大丈夫?」
『え、あ。はい!』
この人は仁子(キミコ)さん。
あの屋敷を出た後、行く宛も無い私は、フラフラと町をさ迷っていた。
そんな時…
見ず知らずの私に声をかけてくれたのが仁子さん。
今でも本当に優しくしてくれる。
「そう…。余り無理しちゃ駄目よ?」
『ありがとうございます。』
返事をすると、ニコっと微笑みどこかに行ってしまった。