†蝶鬼鈴Ⅱ†


その頃…

「新撰組に何かご期待でもあるのですか?」


「何が言いたい」

遼は屋敷に帰ってきた。


「近頃。あやつらに、深く入れ込んでいるように思えたので。」

そう静まりかえった廊下に真人の声響く。


もうすぐ、日が出てくる時間であった。

「そんな訳がなかろう。」


「そうですか。」

あまり納得したようには見えなかったが、



真人は背を向けて、歩いてしまった。


「なんだよ…」



そう呟いた声は、誰にも届かなかった。




< 7 / 124 >

この作品をシェア

pagetop