†蝶鬼鈴Ⅱ†
その頃…
「新撰組に何かご期待でもあるのですか?」
「何が言いたい」
遼は屋敷に帰ってきた。
「近頃。あやつらに、深く入れ込んでいるように思えたので。」
そう静まりかえった廊下に真人の声響く。
もうすぐ、日が出てくる時間であった。
「そんな訳がなかろう。」
「そうですか。」
あまり納得したようには見えなかったが、
真人は背を向けて、歩いてしまった。
「なんだよ…」
そう呟いた声は、誰にも届かなかった。