アニサーコンチェルト 2 ♪ ~30オンナが愛もコスプレも大切で何がわるい?!~
「あ…」
彼女の顔を見て
すぐに私は視線を逸らし
マンションに入るための
暗証番号を押そうと
手を伸ばした
「あの…マナカ…さん…ですよね?」
キレイな声で彼女が私を呼んだ
「…あ、はい…」
名前を呼ばれてしまっては、仕方ない…
私は彼女の方を向いて
「さきほどは…どう…も…」
視線は、彼女を見るワケでなく
さまよわせながら言った
「あ、いえ、こちらこそ
お礼も言えずにごめんなさい
娘を見つけてくださってありがとうございました」
深々とおじぎをした彼女…
「あ、いえ、そんな…私は何も…」
まさか
お礼を言われるなんて思っていなかったから
少し、戸惑った
「あの…」
でも、もしかして、
私の不安を聞き出せるのかもしれない
そんな思いがよぎったので、
少し勇気を出してみた