【BL】今日も恋に堕ちる




午前最後の授業終了を知らせるチャイム。


終わったー!
昼休みだ!!

将吾とお昼ー!


「葵は榊と食うんだろ?」
「おう!恭介もくる?」
「遠慮しとくわ」


教室を出ようとしたら、見覚えのある顔が教室の入口を塞いでいた。


「待ってたぜ、葵」
「あ、お前この間の…」



妙に気怠そうな、長身の男子生徒。
えっと…
名前何だったけ?


「えっと…」
「遠山 蓮。蓮って呼べって言っただろ?」



そうだ。
そんな名前だった。


「蓮は、俺に用でも?」
「ゆっくり話そうと思ってな。そう言ったろ?」


確かに言っていたような…。
でも将吾と約束あるし。


「ごめん。俺、約束あるんだ。またな」


蓮の横を通り過ぎようとしたけど、腕を捕まれた。


「約束って榊とか?」
「え?あ、うん。」
「ふーん…」


蓮って将吾とどんな関係なんだろ?
よく知ってるみたいだけど…。


「あの、離してくんね?俺行かないと…」
「それは嫌だな。今、葵と話したい気分だ。」
「気分って…。マジ困るから。将吾待ってるし。」


蓮が一瞬、眉間にしわを寄せた。


「勝手に待たせておけよ。」
「は?」
「俺、アイツ困らすの好きなんだよ。」
「意味分かんねーし。お前、将吾とどういう関係?」
「聞きたいなら俺の話し相手になるか?」


ニヤリと蓮は笑った。


「それは無理!」


勢いよく手を振り払う。


「っと…思ったより力強いな。」


蓮が感心してる間に、俺は走って教室を抜けた。


変な奴に捕まったもんだ。

将吾待ってるだろうし、急ごう。


俺は将吾との約束の場所まで駆け出した。



そうだ。
蓮のこと聞いてみよ。
何か気になるし…。


将吾が覚えてればだけど。



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