母へ

ふと気がついたら、居なかったね。


お父さんが。


でも寂しいと思ったことは一度もなかった。


母子家庭という言葉を知った時も、悲しくはなかった。


だって僕には母親がいるから。


なにより僕を愛してくれる、母親が居たから。


肩身の狭い思いなんて、一度もしたことはない。


だって。


一生懸命、働いてくれたよね。


僕を育てるために。