幸せである理由
「…蒼斗なんかっ……蒼斗なんか…っ…だい…っ…」



私はギュッと唇を噛み締めた。




『大嫌いっ!!!』





そう言いたかった…





“大嫌い”と言えたらどれだけ楽なのかな…?




でも言える訳ないの…っ………




こんなに好きなのに…っ…




「…なんで……」




嘘でも言える訳ない…っ…!!





「なんでこんなに好きなのよぉ…っ…!!!」





―ガシャンッ!!!!―





え…?






「お前…馬鹿じゃねぇの…?」





気付けば




「…あお…と…?」





蒼斗の腕の中に閉じ込められていた…




―震えてるのは私?それとも君?―


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