幸せである理由
蒼斗がいなくなる…




生まれてからずっと一緒だった蒼斗が……




それを想像した瞬間目の前が真っ暗になった。




そんな現実を受け入れられる訳がなく、その後私は部屋で泣きじゃくって、夜中になって聞きに行くことを決めた。




きっと「は?」とか言っていつものように怪訝な表情をするだろう蒼斗を期待して…




それなのに…




「ああ…そのことか……」




蒼斗はたいした表情の変化も見せず飄々と言った。




「…誰に聞いたか知んねぇけど、雫が聞いたことは間違ってねぇよ。」





それははっきりとした肯定の言葉。



―ドクン…―




不協和音を奏でる心臓…



私の視界は定まらない…




「なん…で…?」


「……いいなって思った学部があったんだよ……」


「……どれくらい…帰って…来れる…?」


「…まだ受けてもねぇから…そんなのわかんね…」


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