幸せである理由
「俺も…雫にとって俺はただの“大切な幼馴染み”だって思ってたんだ……」


さっきもそう言ってたしな、と蒼斗は苦笑いを零した。



そういえば、いつもそう言っていたのは私…




でもね…それは…




「…っ…幼馴染みなら蒼斗の側にいれる…と思ったから…」




蒼斗は私の言葉に一瞬眼を見開いて、でも優しく微笑んでくれた…




「雫はやっぱり馬鹿だなぁ…」


「んなっ!?」


「つか…俺はお前を“大切な幼馴染み”だなんて一度も思ったことねぇし。」


「え…?」




私がその言葉に衝撃を受けた瞬間…




「っ……!!」




突然触れた互いの唇は熱く、呆然とする私に蒼斗はいたずらが成功したような笑顔を浮かべて言った。





「俺にとって雫は…ずっと…」





「たった一人の“大切な女の子”だった…」





「もちろん…これからもな…。」



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