幸せである理由
今、私はちゃんと会話ができてるのかな?




蒼斗の声が頭に入っているようで入って来ない。




頭がガンガンする…




視界が滲んでくる…




「……どうしてっ…教えてくれなか…った…の?」




一番蒼斗に聞きたかったこと…




(今までどんなことでも…教えてくれてたのに……)




わがままかもしれないけど私は聞くなら初めに蒼斗の口から聞きたかった……




震える声を隠すこともできず、ただ必死に涙を流さないようにいつも見上げるはずの蒼斗を見下げた。




シンと静まり返る部屋……




暖房が効いている部屋なのに妙に寒く感じるのは私だけなのだろうか…?




まだ混乱している私に蒼斗は真っ直ぐ視線を逸らさずに言った…






「……言う必要ねぇし。」





「…え………?」





心臓が止まったかと思った…




辛うじて言えた言葉に対してのあまりに残酷な言葉…




(っ…泣くもんか…っ…!!)




涙が零れそうになったけどなんとか堪えた。


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