僕、野良猫。これ、お兄ちゃん。
僕の家庭はあまり
『貧乏』
ではなかった。
昔から僕にママはなんでも与えてくれたから。
僕が寂しくならないように・・・・だと思う。
僕は小さい頃から学校以外の時間を家で過ごした。
何をしていたか?
勉強だよ。
小学生が中学生のテキストをこなすシュールな光景さ。
皆は天才って言ったけど、違った。
『君たちの知らない所で勉強してたんだ』
僕は辛かった
遊びたかった
ママに言った。
『遊びたい・・・』
ママは昼間は仕事してたから、遊んではくれない。
その代わりに
僕の遊び相手が与えられたんだ。
たくさんのオモチャ。
たくさんのゲーム。
なんでも持ってた。
皆羨ましがった。
『華憐ちゃんはお嬢様みたいだね』
馬鹿か・・・・
その時の僕の目に
おそらく光は無かった。