25時のシンデレラ
すると、私の顎を掬うように後ろから伸びてきた手。
そして
「んん…っ」
そのまま唇を奪われた。
何度も重なり合っては深くなっていくキス。
「ふ、ぅ…んぁ」
「…ん…」
呼吸すら許されない行為に思考までもが麻痺していって。
頭も体も全てが目の前にいる彼に埋め尽くされた。
「……は、」
「…はぁ…はぁ…」
唇が離れれば、そのまま彼の胸元に崩れる私の体。
息も絶え絶えな私とは対照的に呼吸一つ乱していない彼に複雑な気分が募る。
これが経験の差というものなのだろうか。
それが何だか寂しくて、彼の顔を見れない。