25時のシンデレラ




「…一目惚れだって言ったらどうする?」




暫くの間、ただ彼の胸元に顔を埋めてじっとしていた私の耳に聞こえてきた言葉。

静寂を破ったそれに私は驚きのまま顔を上げた。




「…え?」




顔を上げれば、そこには困ったように眉を下げて笑う部長の姿。


驚いて固まる私をよそに言葉は更に続いて。




「…人には恋愛にうつつ抜かすななんだとか言ったくせに、お前には嫌われたくなくて怒鳴れねぇんだから笑っちまうよな」




降ってくる言葉は信じられないようなものばかり。


予想外の出来事に思わず目を見開いてしまう(きっと今の私は阿呆な顔をしてるはずだ)。




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