Someday[短編]
「…どうしたんですか…!?」
「…っく…」
亜紀さんは俺の顔を一度見上げて、そのまま俺の腕の中から抜けると走り出してしまった。
俺は嫌な予感がして、急いで亜紀さんを追いかけた。
「亜紀さん!亜紀さん…!!」
近くにあるコンビニや公園を見ても…亜希さんはいなかった。
いない…何でだよ…!?
どこ行ったんだよ…!!
「亜紀さん!!いたら返事しろよ!!」
その時、俺の耳に小さくすすり泣く声が聞こえた。
周りを見回すと、
薄暗い、切れかかっている電灯の下にあるベンチに、亜紀さんは座っていた。
「亜紀、さん…?」
「…光貴くん…」
亜紀さんは無理に笑おうとしていた。
その笑顔が、やけに痛々しかった。