Someday[短編]


「…どうしたんですか…?」




亜紀さんの隣に座り、訊ねてみた。




「浮気、されてたみたい…

あたしも…っバカだよね、気付かないなんてさ…」




亜紀さんは、泣き笑いしながらそう言った。

ねえ、何で?

何で兄貴なの…?
俺じゃダメなの…?




「…これから、どうするんですか…?」




俺の質問に、亜紀さんはうつ向いたまま首を横に振った。




「もう…別れるしか、ないよね…」




そう答えたと同時に、亜紀さんは自嘲気味に悲しそうに笑った。

ねえ、もう泣くなよ…
もうこれ以上、傷付いてる亜紀さんは見たくないんだ。




「…亜紀さん」


「…ん、なに…?」




こんな時に言う俺は、ずるいのかな?

けど、ずるくてもいい。
あなたの涙が、それで止まってくれるなら。


< 11 / 15 >

この作品をシェア

pagetop