Someday[短編]


「…俺は優しくなんかない。

ただ、亜紀さんに好きになって欲しくて…優しい振りをしてただけです。

それに、例え傷付いたとしても…
それでも俺は亜紀さんが好きなんです。


今はそんな風に見れないなら、何ヶ月だって、何年だって待つ。

それで俺の事ちゃんと考えてくれる時になったら、その時でいいから返事を聞かせて下さい」




亜紀さんは、まだ少し赤い目をして、ゆっくりと口を開いた。




「あたしは…まだ恋をしようとは思わない。
光貴くんの事だって…いつ考えるかも分からない。



…あたしはあざとい。
光貴くんが想い続けてくれるほど、いい人なんかじゃない。

光貴くんの幸せよりも、自分を優先してしまうかもしれない。

ねえ…
それでもあなたは、待っててくれるの…?」


< 13 / 15 >

この作品をシェア

pagetop